「愛猫が下痢をした!」
そんなとき、飼い主さんは心配ですよね。
「重大な病気だったらどうしよう・・・」
「病院に連れて行ったほうがいいのかな?」
そんな風に思い悩むことでしょう。
ここでは、猫が下痢を繰り返すときの考えられる原因について、また対処法についてもご紹介いたします。
猫の下痢について
まず、下痢とはどういう状態のことでしょうか?
改めて確認してみましょう。
下痢とは、便の量や回数が増え、水分量が多い泥状の便、液体状の便のことを指します。
下痢にはさまざまな種類があります。
見ていきましょう。
軟便
軟便とは、通常の便に比べて水分量が多く、半固形状のものを指します。
泥のような形状から泥状便とも呼ばれています。
猫の正常な便には、60〜80%の水分が含まれています。
軟便ではそれ以上の割合になります。
また正常の便は固くコロコロしているのが特徴です。
一方、軟便は、形が保たれていない、もしくは、すぐに崩れてしまうような柔らかいのが特徴です。
水様便
軟便以上に水分含有量が多く、液体状のものを水様便と呼びます。
血便・血様便
便のなかに血液が混じっている便を血便・血様便と呼びます。
例えば、肛門から近い大腸からの出血がある場合、鮮血の赤やピンク色が混じった便になります。
また小腸以前の消化管からの出血がある場合、便として排泄されるまでの間に血液が酸化され、黒色のタール状の便(タール便)になります。
小腸性の下痢
猫の下痢の原因が小腸にある場合、食べたものの消化・吸収が悪くなってしまうため、便の量が増加し、便のなかに未消化物があるのが見てとれます。
大腸性下痢
猫の下痢の原因が大腸にある場合、食べたものが小腸で消化されているため、未消化物はほとんど見られることはありません。
しかしながら、大腸での水分の吸収が悪くなっているので、猫に「しぶり」が見られます。
「しぶり」とは、便意があるのにほとんど便が出ない状態、排便後に残便感がある状態のことを言います。
便中に大腸から過剰に分泌された粘液が多く含まれるのが特徴です。
急性の下痢
猫が突然下痢になるものの1週間ほどで症状は治ります。
慢性の下痢
数週間にわたって下痢が継続している状態です。
栄養や水分の吸収が悪くなるので、猫の体重が減少するなど栄養状態が悪くなります。
ストレスによる下痢
猫も私たち人間と同じように、ストレスによって下痢になることがあります。
引っ越しで環境が変わったりすること、家族やペットが増えるなどの環境の変化から、猫がストレスを感じ、下痢を引き起こします。
異物の誤飲・誤食からくる下痢
猫が洗剤や殺虫剤などの化学物質を誤飲・誤食した場合、中毒性の下痢になることがあります。
また誤飲や誤食したものに中毒性がなかったとしても、消化されないまま消化管内を進んでいくと、下痢を引き起こすことがあります。
食事による下痢
ご飯を食べすぎた、ペットフードが変わった、人間の食べ物を食べたなどといった場合に、消化不良・吸収不良から下痢になることがあります。
薬による下痢
抗生物質といった処方薬は、副作用として猫に下痢の症状が出るケースがあります。
このほか、感染症や内臓疾患、アレルギーといった病気が猫の下痢の原因になることもあります。
猫の下痢の原因になる病気について

猫の下痢の要因になるもののひとつに病気があります。
ここでは、下痢の原因になる病気についてご紹介いたします。
感染による下痢
感染による下痢には、大きく3種類あります。
- 猫パルボウイルスや猫コロナウイルスなどのウイルス性感染
- サルモネラ菌などの細菌性感染
- 線虫や条虫といった寄生虫性感染
猫パルボウイルス感染による猫汎白血球減少症、猫コロナウイルスが突然変異して起こる猫伝染性腹膜炎は、死に至ることもあります。
これら感染症の下痢が疑われる場合には、ウイルス、細菌、寄生虫の有無を確認するため、糞便検査が行われます。
食物アレルギーによる下痢
アレルギー除去食を与えることにより猫の下痢が治るかどうかで判断されます。
内臓疾患による下痢
肝炎や胆管炎などの肝臓・胆のうの病気、膵外分泌不全のような膵臓の病気を患っている場合、消化酵素が正常に分泌されません。
これにより猫に下痢の症状が出ることがあります。
腸管内にできた腫瘍によって、猫に下痢の症状が出ることもあります。
このほか、はっきりとした原因は特定できていませんが、免疫が関係していると思われる炎症性腸疾患(IBD)もあります。
内分泌系の病気による下痢
甲状腺機能亢進症といった内分泌系の異常が原因で、下痢の症状が見られる場合もあります。
猫が下痢をした時の対処法
猫が下痢をしたときの対処法はおもに2つです。
まずは、下痢が一過性で元気があり、食欲もいつも通りにあるという場合には、様子を見ても大丈夫です。
ただし、少しでも気になることがあれば、動物病院を受診しましょう。
もし次に挙げるような症状がある場合は、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
- 下痢が数日続いている
- 便の回数が多い
- 食欲や元気がない
- 嘔吐など別の症状が見られる
- 血便が出ている
- いつもより尿量が少ない
- 月齢が低い猫である
- 月齢が低い猫である
上記に該当する場合、脱水症状を起こしたり、電解質のバランスが崩れるなど、重篤な状態になることがあるので注意が必要です。
病院に連れて行く場合は、可能であれば猫の便も持参するようにしてください。
その際に注意すべきは、できるだけ排便したばかりの新しい便を密閉容器に入れて持って行くようにしましょう。
便を持っていけないようであれば、写真に撮って臭いや色を医師に口頭で伝えるようにしましょう。
猫の下痢の予防のポイント
ポイントは4つです。
- 猫にストレスを与えない
- 人間の食べ物を与えない
- ワクチン接種
- 室内飼いにする
引っ越しや家族が増えるなど猫にストレスがかかるような場合には、キャットタワーなどを用意して猫の居場所を作ってあげるようにすることが大切です。
またフードを変える場合には、一気に変えずに古いものに少しずつ新しいのを混ぜていくようにしましょう。
人間の食べ物は、各臓器に負担がかかるだけでなく肥満の原因にもなるため、与えないようにしましょう。
感染症の下痢の場合は、ワクチン接種によって防ぐことができます。
また感染症の下痢は、ほかの猫から感染する場合もあります。
完全室内飼いにすることも下痢の予防になります。
まとめ
猫の下痢にはさまざまな原因があります。
一過性のものであることがほとんどですが、なかには重篤な病気が原因になっていることもあります。
重篤な病気を見逃さないためにも、日頃から猫の便や様子に気を配るようにしましょう。
この記事の監修者
獣医師 出家 淳
離山動物病院 院長
川西市周辺地域の動物病院として予防・治療にあたるだけではなく、ミネルバ動物病院と連携をとりながら高度医療が必要な患者様への医療提供も実施していきたいと思います。
動物のため、飼い主様のために何がベストなのかを常に考えながら予防や治療にあたって参ります。