コラム

2025年6月26日

猫の尿石症ってどんな病気?症状や治療方法や予防についてご紹介

猫の尿石症ってどんな病気?症状や治療方法や予防についてご紹介

猫の尿石症ってどんな病気かご存知でしょうか?
尿石症という病気については犬よりも猫の方がはるかにかかりやすい病気です。

ここでは、猫の尿石症についてご紹介するとともに、予防法などについてもご紹介いたします。

猫の尿石症ってどんな病気?

猫の尿石症とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった「尿路」に結石ができる病気です。

結石とは、食餌や水に含まれているマグネシウムやカルシウム、尿酸などのミネラル分が、尿のなかのタンパク質などと結合してできる物体です。
大きさも、砂ほどの小さなものから卵ぐらいの大きなものまでまちまちです。

猫の尿管は、0.4mmほどと犬に比べて大変細いため、詰まりやすく、尿管が詰まる「尿管閉塞」の重篤化につながりやすいとされています。

尿結石症の症状とは?

それでは、尿結石の症状について見ていきましょう。

尿結石には、以下のような症状が見られます。

  • 血尿、頻尿、排尿障害
  • 排尿時に痛がったり鳴いたりする
  • 尿が出なくなる

上記に挙げた症状のなかで、尿が出なくなる症状については要注意です!
尿道などに尿石が詰まってしまうと、尿が出なくなります。

これは、猫にとっては非常に危険な状態だと言えます。
尿結石が疑われる猫で、24時間尿が出ていないときには、すぐに動物病院で受診するようにしてください。

尿石の種類について

尿石の種類について

それでは、次に尿石にはどんな種類があるのか見ていきましょう。

尿石の種類によって治療方法が異なります。
尿石がどのようなミネラル成分により構成されているかについては、治療の際に大変重要な情報となります。

猫の尿石の種類は、ストルバイト結晶シュウ酸カルシウム結晶で約9割を占めています。
発生率は、シュウ酸カルシウム結晶が、ストルバイト結晶の約2倍になっています。

それでは、ストルバイト結晶、シュウ酸カルシウム結晶それぞれについて、少し詳しく見ていきましょう。

ストルバイト結晶

ストルバイト結晶については、細菌感染によって犬にできることが多いとされています。
猫については、約90〜95%が無菌性であり、食事が原因で発生することが多いとされています。

ストルバイト結晶の治療については、食事療法によって溶かしていく方法を用います。
食事療法については、マグネシウムが少なく、尿PHを下げる効果のある療法食が効果的であるとされています。

シュウ酸カルシウム結晶

ストルバイト結晶が食事療法によって溶かしていく治療法を取るのに対して、シュウ酸カルシウム結晶は、薬や食事療法で溶かすことができません。
尿道を通過できる大きさであれば、排尿促進により除去することが可能です。
それ以上の大きさになれば、摘出手術により取り除くこともあります。

どんな検査方法?

尿石症の疑いがある場合、どのような検査が行われるのでしょうか?

尿中の結石は顕微鏡で確認することができるため、尿検査を行なったり、レントゲンや超音波検査などでも尿石は確認することができます。
尿検査と併せて、レントゲンや超音波検査を行なうこともあります。

治療については、前述のように、尿石の種類によって治療法が異なるため、尿石の種類を特定することが必要です。

尿結石の治療方法とは?

尿結石の治療法については、尿石の種類によって異なります。
治療方法については、おもに3つの方法があります。

  • 療法食(結石溶解用、低ミネラル食)
  • 飲水量を増やすことにより排尿を促進する
  • 外科摘出手術

療法食の治療の場合の注意点は、急に療養食に切り替えないこと
療養食への切り替えは、1〜2週間かけてゆっくりと変えていきます。

急に療養食に切り替えてしまうと、嬉しいはずのご飯が嫌いになることもあるので要注意です。
猫ちゃんによっては、食事を全く口にしなくなる子もいますので、気をつけてください。

尿結石の予防について

尿結石は予防することができるのでしょうか?

尿結石は、療法食などで尿石を溶かしたり、外科手術によって尿石を取り除いても、再発する可能性があります。

再発させないためには、以下のことに気をつけましょう。

  • 食事療法が決められている間は、療法食以外は与えない
  • 飲水量を増やして排尿させるよう心がける
  • 細菌感染が起こらないようトイレを清潔に保つ

まとめ

猫の尿結石症は、尿の通り道である「尿路」に結石ができる病気です。
犬に比べて尿管が細い猫は、尿管閉塞が重篤化しやすい傾向にあります。

それだけに尿結石症を放っておくと命に関わることもあります。

尿に異常が見られたり、排尿時に異変が見られるようなときには、尿結石症を疑ってください。
できるだけ早めの受診をおすすめします。

愛猫の変化にできるだけ早く気づくためには、日頃から猫ちゃんの様子をよく観察しておくことが重要です。
また猫ちゃんの様子だけでなく、猫ちゃんの尿も日頃からチェックするようにしましょう。

家族の一員である猫ちゃんが、幸せに暮らすためにも、ぜひ日頃から猫ちゃんとコミュニケーションを取り、猫ちゃんの健康状態に気を配ってあげてくださいね。

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