近年、マダニの被害報告が多く聞かれるようになりました。
マダニは、犬や猫だけでなく私たち人間にも寄生し吸血します。
また犬や猫同士、犬や猫から人にも感染します。
マダニに寄生されると、重篤な感染症を引き起こすリスクもあるため、マダニが活発に活動する春から秋にかけては、注意が必要です。
しかしながら、マダニは予防することができます。
ここでは、犬や猫のマダニやノミの予防法についてご紹介いたします。
大切や愛犬や愛猫を守るためにも、ぜひご覧ください。
ノミ・マダニの感染経路
ノミやマダニに感染するのはどうしてなのでしょうか?
いつどのタイミングで感染するのか。
感染経路について見てみましょう。
ノミ、マダニ
ノミやマダニの感染経路は、おもに草むらです。
散歩中に、草むらに潜んでいるノミやマダニに感染することが多く、また、犬や猫同士の接触によって感染することもあります。
このほか、子犬や子猫の場合には、親から感染するケースも稀ではありません。
完全屋内飼育の犬や猫であっても、屋外から人が持ち込んだり、屋外を自由に行き来している他の動物と接触することにより感染することもあります。
ミミヒゼンダニ(耳ダニ)、ニキビダニ、センコウヒゼンダニ
これらのダニは、感染している動物と接触することにより感染します。
また親から子への感染もあります。
感染している動物のフケが落ちている場所に、長く滞在することにより感染することもあります。
病気などで抵抗力が落ちている動物が発症しやすいとされています。
犬や猫の体にノミ・ダニを発見したときの対処法
愛犬や愛猫の体に、ノミやダニを見つけた場合、どうすればいいのでしょうか?
ここからは、ノミやダニを見つけた場合の対処法についてご紹介いたします。
ノミを見つけた場合の対処法
ノミは動きが速く、犬や猫の毛のなかに隠れているので、飼い主さんもなかなか気づかないことが多いです。
それでも発見できたとしたら、それは、大量にノミが寄生している可能性が高いといえます。
その場合、市販の駆除薬やノミ取りシャンプーで対処するのは難しいでしょう。
動物病院に相談し、駆除に十分な量のノミ駆除薬を処方してもらう必要があります。
このとき気を付けることは、ノミを見つけても指で潰すことはしないようにしましょう。
メスのノミは、潰すと卵が飛び散り、さらに繁殖してしまいます。
マダニを見つけた場合の対処法
マダニを発見した場合、そのマダニは皮膚にしっかりと噛みついています。
無理に引き離そうとすると、顎が皮膚内に残ってしまいます。
またマダニもノミ同様に、体内に大量の卵を持っている場合があります。
潰すと体内から卵が飛び出すこともありますので要注意です。
マダニを見つけたら、すぐに取り除きたい気持ちは分かりますが、自分で取り除くことはせず、動物病院を受診しましょう。
動物病院では、専用のピンセットを用いて安全に、マダニを除去してくれます。
もしくは、駆除薬を投与し、自然に落ちるのを待つといった処置をしてくれます。
犬や猫のノミ・マダニの予防法について

それでは、ノミ・マダニはどうすれば予防できるのでしょうか?
ここでは、4つの予防法についてご紹介いたします。
掃除&消毒
ノミ・ダニの卵、幼虫は、カーペットや畳、ソファや布団などの隅に潜んでいます。
愛犬、愛猫が居る場所にある布団やマットなどは、掃除機をかけて、粘着テープのお掃除アイテムで掃除をしましょう。
また定期的に洗濯や天日干しなども行ないましょう。
熱処理
ノミは、60℃以上の熱に弱いため、ノミを死滅させるには、熱処理が効果的です。
クッションやブランケットなど、布製のものは、熱湯洗濯をして乾燥機で乾かせると良いでしょう。
殺虫剤
ノミやダニ用の殺虫剤も効果的です。
しかしながら、これらの殺虫剤は、成虫に対しては効果を発揮します。
卵や幼虫には効きづらい特徴があるため、注意が必要です。
ノミ・ダニは一生のうち約95%が卵や幼虫・サナギの時期です。
そのため、殺虫剤では全てのノミやダニを死滅させることは難しいのです。
殺虫剤は、あくまでも補助的な役割として使用するようにしましょう。
グリーミング
外から帰ったら、愛犬、愛猫をブラッシングするようにしてあげましょう。
特に、耳や足まわり、背中などは念入りにブラッシングするようにしましょう。
このときに、ノミやダニが付着していないかを確認します。
シャンプーの際には、ドライヤーでしっかりと乾かしたあと、ノミ取り用のくしでブラッシングしてあげてください。
これだけで、体内に潜んでいるノミやダニをある程度は除去できます。
ここで注意しないといけないのは、必ずペット用のシャンプーを使用すること。
人間のシャンプーはペットには向きませんので、使わないようにしましょう。
また飼い主さん自身も注意が必要です。
外から帰ったら、自分自身にマダニが付着していないか確認して、屋外から屋内に持ち込まないようにしましょう。
飼い主さんも愛犬、愛猫同様、マダニの付着があっても、無理に取り除くことはせず病院を受診しましょう。
予防薬
ノミやダニの感染は、適切に薬を使用することで、しっかりと予防することができます。
予防薬には、2種類あります。
です。
飲み薬は、おやつタイプのものとドッグフードに混ぜるタイプがあります。
その子の性格や好みに合わせて使用すると良いでしょう。
スポットタイプは、背中部分に滴下するタイプです。
個体によってやアレルギーなど体質によっても処方される薬が異なります。
動物病院に相談しましょう。
まとめ
愛犬、愛猫の健康を守るために、ノミ・ダニ対策は必要不可欠です。
お住まいの地域によって、予防薬などの使用期間は異なりますので、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
ノミ・ダニ予防で、飼い主さんも愛犬、愛猫も元気に快適に暮らしましょう。
この記事の監修者
獣医師 出家 淳
離山動物病院 院長
川西市周辺地域の動物病院として予防・治療にあたるだけではなく、ミネルバ動物病院と連携をとりながら高度医療が必要な患者様への医療提供も実施していきたいと思います。
動物のため、飼い主様のために何がベストなのかを常に考えながら予防や治療にあたって参ります。