コラム

2025年9月19日

犬の涙やけはなぜできる?原因と治療、予防法を紹介

犬の涙やけはなぜできる?原因と治療、予防法を紹介

気づけば、愛犬の目の部分に涙やけが・・・

このように犬の涙やけが気になっている飼い主さんは多いのではないでしょうか?
ここでは、気になる犬の涙やけについて、その原因と対策、また予防法についてご紹介いたします。

犬の涙やけとは?

犬の涙やけは、涙の成分で毛が茶色く変色する現象です。

涙は、上まぶたにある主涙腺から分泌されます。
分泌された涙には、目の表面を潤す役割があります。

そして、目を潤した涙は、まばたきによって目頭に集められます。
目頭に集まった涙は、目頭にある涙管から排出され、鼻涙管を通って喉へと流れる仕組みです。

しかし、涙の分泌が多すぎたり、排出までの流れのどこかで詰まったりすることによって、本来であれば鼻に流れていくはずの涙が、目から溢れてしまい、その溢れた涙が涙やけにつながるのです。

犬の涙やけはなぜできる?3つの原因

犬の涙やけの原因として考えられるのは、3つです。

涙の流れに異常がある

炎症や感染症などにより、涙管が細くなったり閉塞していると、涙が鼻に抜けていきません。
そのため、涙が目から溢れてしまうということになります。

次のような疾患が考えられます。

  • 涙嚢炎(るいのうえん)…涙嚢や鼻涙管に炎症が起こる疾患
  • 鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)…鼻涙管の炎症や、先天的な形状の問題などにより、鼻涙管が塞がっている疾患
  • 涙点閉鎖症…生まれつき、涙点が閉鎖している疾患
  • 小涙点症…生まれつき、通常よりも涙点が狭い疾患

涙が多く分泌されている

涙が多く分泌されている場合も涙やけの原因となります。
逆さまつげなどにより角膜が刺激されている、傷や炎症で目に痛みが生じている、などが要因となり涙が多く分泌されている可能性もあります。

このほか次のような疾患も考えられます。

  • 眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)…逆さまつげの一種で、まぶたの皮膚やまつ毛が眼球を刺激している状態
  • 角膜潰瘍…角膜の階層のうち、角膜実質まで傷が及んだ状態
  • ブドウ膜炎…ウイルスや細菌、真菌に感染し、眼に炎症が起きた状態
  • 緑内障…眼球を満たしている液体、房水の生産と排出のバランスが崩れ、眼圧が上昇した状態

涙の保持機能が発達していないもしくは低下した

子犬は、まだ目のまわりの筋肉が発達していません。
そのため、涙の流れや分泌量に異常がない場合であっても涙を保持できないケースがあります。

一方、加齢により涙の保持機能が低下している場合も涙が流れ落ちて涙やけを引き起こします。

涙やけを引き起こしやすい犬種は?

涙やけを引き起こしやすい犬種は?

次の犬種は、涙やけを引き起こしやすいとされています。

短頭種

短頭種とは、鼻が短く、目が大きいのが特徴の犬種です。
生まれつき鼻涙管が狭い、あるいは塞がっている子も少なくありません。
シーズーやパグ、フレンチブルドッグなどが、短頭種に当たります。

小型犬

チワワやトイプードル、ポメラニアンといった小型犬は、生まれつき鼻涙管が細く、涙が詰まりやすい犬種であるため、涙やけしやすいと言えます。

アレルギーになりやすい犬種

生まれつきアレルギーになりやすり犬種もいます。

柴犬やミニチュアダックスフンド、アメリカンコッカースパニエルなどが、これに当たります。
アレルギー疾患により目に炎症が起こると、涙の量が増えて涙やけを引き起こしやすくなるのです。

犬の涙やけの対処法と予防について

愛犬の涙やけについては、次のような対処法があります。

動物病院で治療を受ける

動物病院を受診すると、原因に応じた治療を受けることができます。
手術が必要な場合もありますが、鼻涙管を洗浄したり、場合によっては抗生剤が処方されるケースもあります。

また食べ物が原因の場合もあるので、その場合は与えるフードを変えるだけで改善されることもあります。

いずれにせよ、「ただの涙やけだから大丈夫!」と飼い主さんの自己判断で放置せず、かかりつけ医に相談することをおすすめします。

涙をこまめに拭き取る

涙をこまめに拭き取ることが涙やけの予防にもなります。
その際は、眼球を傷つけないように、コットンやガーゼで優しく拭き取るようにしましょう。

涙やけで毛が固まっている際は、コットンなどで優しく拭き、毛を湿らせて、目の洗いコームでとくと取れやすくなります。

まとめ

「犬の涙やけは、毛が茶色くなっているだけ!!」
とこれまで放置していませんでしたか?

涙やけの原因は、単なる変色ではなく、3つの原因が考えられます。

  1. ①涙の流れの異常
  2. ②涙が多く分泌されている
  3. ③涙の保持機能の低下

です。

愛犬の涙やけを見つけたら、かかりつけの動物病院を受診し、獣医に相談しましょう。
また日頃のお手入れも重要です。

涙をこまめに拭き取ってあげることで、涙やけを防ぐことができます。
その際には、眼球を傷つけないように優しく拭き取ってあげてくださいね。

大切な愛犬の目を守るためには、日頃から飼い主さんの見守りと気配り、しっかりとしたケアが重要です。

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